バスのナンバープレートについて 【旅人の語るバス】

バス

1.はじめに

 前回は、バスにはどういうものが含まれるかという話をしました。今回は、そのバスの「ナンバープレート」についてのお話になります。

2.緑ナンバー

 バスのナンバープレートは、わずかな例を除いて、基本的に緑色が基調になっています。これはタクシーやトラックなどと併せて「事業用」であることをあらわしています。これが白色であると「自家用」という扱いになります。
 この色の違いが何を表しているかというと、


 白…バスに乗ることを目的としての運賃授受ができない。
 緑…バスに乗ることを目的としての運賃の授受が可能。

 ということです。近年問題になりつつある、「白ナンバータクシー」の取締りが難しいのも、原因はここにあります(厚意に対する対価と言い逃れされることがあるため)。
 ただ、白ナンバーにも例外は幾つか存在し、例えば、幼稚園バスや学校の送迎バスなどには、自家用登録された車が多く使用されますが、バスを使用する際には契約が必要なところも存在します。
 しかし、そういうものはあくまでも「場所に行くこと」が目的であり、「バスに乗ること」が目的ではないため、白ナンバーでもいいというわけです。他にも「関電トンネル電気バス」などの車も自家用登録を受けています(話せば長くなりますが)。

3.バスのナンバー

 次に、バスのナンバープレートの文字に注目していきたいと思います。

千葉200か1280 千葉中央バス エルガ

 例えば、上の画像は千葉中央バスのバスです。ここでまず注目して欲しいのは、塊ごとに「千葉」「200」「か」「1280」です。全てか、と思われる方も多いかとは思いますが、実はコレが大きな意味を持つのです。

 そもそも、現行の車のナンバープレートにおいて、「2ナンバー」や「5ナンバー」と呼ばれる3桁の数字の百の位は、その車の用途・仕様によって違うのです。
 例えば、乗用車で多いのが「300」と「500」の番台で、これはエンジンの大きさによって異なります。
 バスにおいては「200」番台がほとんどで、稀に「300」番台が入ってきます。
 また、十の位と一の位については、基本的にどちらも0であることがほとんどです。この場合はその後に続く(4桁の数字)は運輸局で登録された順につけられていきます。また、この運輸局のある地域によって「千葉」などの地名が決定します。

 例えば、この車の場合には「千葉」運輸局で、「200」ナンバーの車として「か」という事業用登録のもと「1280」番目の登録。ということになります。また、200ナンバーは先述の通り、隙間無く「・・・1」から埋められていくため、ナンバーから大体の車の年式がわかります。

 しかし、近年はこれにとらわれないようなバスも多く出てきています。

千葉230あ1174 千葉中央バス エルガ

 このバスは、先ほどと事業者と車種こそ同じですが、ナンバープレートにおいて「230」であったり「あ」であったりするところが異なります。
 これは、「希望ナンバー」と言われるもので、事業者が自分たちの好きな番号を登録したものになります。この基準は事業者によって異なりますが、多くの場合、バスにつけられた「社内番号」に添ったものとなっています(別記事にて解説)。

 この「希望ナンバー」の出現により、バスのナンバーから年式を当てることは難しくなりました。

4.白ナンバーのバス!?

千葉230あ1206 千葉内陸バス ブルーリボン

 さて、ここで少し話はそれますが、近年で希望ナンバーと同様に増えてきたものが、一瞬は白く見えてしまうこのナンバープレートです。
 遠目から見ると白く見えるのですが、実際にはこのバスはれっきとした事業用で、緑のナンバープレートと同じ扱いを受けています。
 というのも、これは「五輪ナンバー」というもので、大会の機運を高めるために、専用のデザインで作られたもので、この「白い部分」もデザインの一部とされているため、どうしてもこういうデザインになってしまうのです。
 ちなみに、2019年のラグビーワールドカップに合わせた「ラグビーナンバー」なるものも存在します(台数は多くないですが)。

 ちなみに、究極的なナンバーのつけ方をしているのがこの京浜急行バスで「五輪ナンバー」の上から「希望ナンバー」で「2020」を選択するという過剰すぎる応援をしています。

 ちなみに、この車の場合、登録は「横浜231く2020」です。基本、希望ナンバーは「230あ」「230い」「230う」の順に与えられていくため、「231く」の前にどれほどの「2020」が存在するかお分かりいただけるでしょうか。

5.おまけ

 この記事ではここまでに「緑と白」、「五輪特別ナンバー」、「登録番号」についてを全て、現在の基準において考えていました。が、このような基準になったのは、実はここ十数年の話であり、それ以前は色々な面において現在のつけ方とは若干異なるつけ方がされていました。

奈良 22 き 439 奈良交通

 近年、都市部(主に首都圏)では、車の置き換えにより、かつてのナンバープレートをつけた車両が減りましたが、地方にいくにつれ、古くからの車両がまだ当時のままの登録で走り続けている事例が増えてきます。

 例えば、この奈良交通では、U規制(1990年代後半)のバスが未だ健在で、その時代の名残として、現在では3桁である「200」ないし「230」などの場所が「22」と2桁で登録されています。
 都市によってもこの2桁から3桁への移行の年度は違うものの、2000年代後半になると、ほぼ全ての都道府県で3桁の登録が行われるようになりました。
 古い車両を末永く使う奈良交通だからこその、光景なのかもしれませんね。

 次回からは、事業者別の「社内番号のつけ方」をお伝えしていきます。(初回は京成バスを予定)

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