未成駅・区間 赤井駅と県道67号線 【遺構探索】

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1.赤井駅とは

 赤井駅、と聞いてピンと来る方は、そう多くいらっしゃらないのではないかと思います。というのも、その計画は一般に知られているわけではなく、『京成電鉄五十五年史』に計画駅として記されているのみで、実際に建設しようという運動さえ起きていません。ただ、そんな駅が前回訪ねた鎌取駅の近くにあるということで、経由してみました。

2.赤井駅と未成区間

赤井駅へはこの信号を曲がる

 さて、鎌取駅から蘇我方面へ向かって最初の信号の手前で歩道橋に入り、外房線をアンダークロスすると、上のような看板が見えてきます。
 どうやら、この看板を見る限り、右が工事中で左が既に開業している区間のようです。赤井駅へはここを左折することでたどり着けるようです。
 が…

千葉市内とは思えない森の深さである

 左折してすぐのところでこの森林です。学園前の駅から900m、鎌取からでさえ2kmないというのに、先ほどのニュータウンとは全くの別世界がそこには広がっていました(整備が行き届いていない分、鹿野山よりもたちが悪い)。
 無加工の写真で1人も人が写っていないのですから、もしここに駅があったら…と考えると、その結果は火を見るより明らかかもしれませんね。

赤井駅建設予定地

 さて、それから数百メートルも進まないうちに今度は赤井駅が作られるかもしれなかった土地へとやってきました。が、やはりここにも何も建築物はありません。人もいなければ、通行量も数えるほどもない。そんなところに京成が駅を作らなかったのは、当然といえば当然の結果なのかもしれません。

3.千葉県道67号線 未成区間

 さて、そのまま引き返す形になりまして、今度は千葉県道67号線の未成区間の話になります。
 が、来た道を戻ると、先ほどとは多少異なる印象を与えられます。

もはや車は写らないのだろうか?

 それはこの未成区間の(全通すれば)分岐点になったであろう場所です。一見、道路の工事は完了しているようにも見えます。が、やはり一筋縄ではいかないようで…

 そう、もはや色あせてしまった「工事区間」の文字があったのです。流石に、これを見た自分も何かあっては遅い、と思ったため、今回は探索を回避しました(そもそも何を見ろと)。が、この交通量を見れば、このまま工事が再開されることは無いように感じます。
 ちなみに、県道67号線は正式名称を「千葉県道67号線 生実本納線」といい、通称を「千葉外房有料道路」といいます。また、この有料道路の有料区間は大木戸区間(後述)のみだけです。
 また、この写真の区間については1996年以降に建設されたものだと考えられます。
 さて、この道路には不自然にかかる1本の橋があります。それがこれです。

未成区間なのに橋がある

 この橋は、ご覧の通り、何かをオーバークロスするために存在する橋ではないようです(いずれ開通する67号のためにかけたのかもしれないが)。某高速道路にかかる廃橋(外部リンク)とは作られた理由が違うようです。

google mapsで確認できる

 では、この橋はいつ何のために建設されたのでしょうか。ここで、また国土地理院の地図をお借りし、かつての写真をさかのぼって確認してみましょう。

1970年
1975年
1988年
1992年

 この4枚の写真はいずれも、おゆみ野の開発前の写真です。これを見ると、県道67号線が開業する前には、この道が橋であったことは伺えず、また道自体もこの貯水池へつながる道だったこともわかります(所有者までは判明せず)。

1996年

 しかし、この道に転機が来るのは1996年。どうやら、この年から県道67号線の開発が始まったようで、見る限りでは現在橋が架かっている付近から工事車両が出入りし、67号線を建設しているように見えます。

2001年
2006年

 なお、道路が開通したと見られる2001年ごろには既に橋上化されており、2006年ごろには当時を思わせるようなコンクリート舗装の道路や道もなくなっているように見えます。したがって、以下のようにまとめられます。

 ・1992年 千葉県が保有(?)
 ・1996年 県道67号線工事に伴い使用
 ・2000年?建設終了、67号線部分開通
 ・2001年?橋上化完了、未成区間凍結?
 ・2006年 一部区間の準備工事のみ終了

 では、ここまでまとめたところで、実際の現場へと足を運んでみました。

不自然に立つポールと供えられた花

 が、ここでまさかのポールと鎖、そして供え物とも取れる花。また、この先あるはずの橋までをここから見通すことができず、万が一足を滑らせた場合、助けを求めることができないという点から、今回それ以上を踏み入ることはできませんでした。

 探索を終えた後、その隣の道路から橋があると思われる方向を望んでみましたが、残念ながら、この先は千葉県が管理している道路のようで立ち入りは規制されているようです。ここに関しては廃道ではないので下手に侵入すれば捕まるかもしれないですね。
 といったところで、今回の遺構探索はコレにて終了です。次回は「有料道路を自転車で走行」します。え?走れるのか?ですって?走れます。

 そう、この道ならね?

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